Manchester MBA

マンチェスタービジネススクール(以下MBS)は、英国国立マンチェスター大学(University of Manchester)に属する機関として、1965年に英国初の本格的なビジネススクールとして設立された歴史のあるスクールです。‘Financial Times: Global MBA Ranking 2021’ において世界第30位(欧州第10位、英国第4位)、Bloomberg Businessweek: Best International Business Schools 2021-22’では欧州第10位、英国第4位、‘Forbes: The best International MBAs Two-year Programs’では世界第7位に位置し、英国・欧州にとどまらず世界中の数あるMBAの中でも最もやりがいのあるプログラムのひとつに数えられています。

 

また、MBSは世界中のビジネススクールの中でわずか1%しか認定されていない「Triple Accredited Business School =トリプルクラウン校」(マネジメント教育を評価する3つの国際認証機関「AACSB」「AMBA」「EQUIS」のすべてから認証を受けているビジネススクールのこと)としても、高く評価されています。

 

18ヶ月間というちょうどよい期間から2017年より15ヶ月間 / 12ヶ月間という新たな選択肢も増え、高いReturn on Investment、合計900時間以上をかけて行う3つのリアルコンサルティングプロジェクトと1つのM&A(シミュレーション)プロジェクト、ダイバーシティ溢れるクラスの仲間等、MBSのMBAはいわゆる「スキル」だけでなく「センス」を磨くうえでももってこいのプログラムとなっています。

 

※MBSはThe Economist Full time MBA ranking "Which MBA?" のサーベイには参加していないため、同ランキングによる他校との比較ができない点、ご了承下さい。

 

Why MBS?

この項では、MBSがどのような点においてユニークであるかをご紹介したいと思います。MBSの卒業生・在校生がなぜ多くの選択肢の中から欧州、英国、そしてマンチェスターのMBAプログラムを選んだのかという点についてご理解いただく機会となれば幸いです。

 

                                                                                                          Source: MBATUBE


 

1.実践的な学習プログラム

「Learning by Doing」というスローガンの下、実践を重視したプログラムになっている点が最大の特徴と言えます。特に、グローバル企業や非営利団体に対してコンサルテーションを行うプロジェクトが、プログラム全体を通して合計900時間計画されています(Not-for-Profit Project、UK Consultancy Project、International Business Project)。また、この他にM&A Project(シミュレーション)もプログラムに組み込まれており、コンサルタントとしての業務、プロジェクトマネジメント、多国籍チームにおけるグループワーク等、理論だけに終わらないスキルを身につける絶好の機会が用意されています。

 

これまでに各プロジェクトのクライアントとなった企業はBMW、Audi、American Express、GlaxoSmithKline、AstraZeneca、TESCO等のグローバル企業が名を連ねており(クライアントはプロジェクトの受注状況によって毎年変更します)、英国最古のビジネススクールの一つとして存在するMBSの企業との繋がりの強さを実感することとなるでしょう。私費の方であれば、企業との採用面接等において、MBAで実際の企業とのグローバル・ビジネスに従事していた経験を話せる点は、他校との差別化において非常に効果的であると言えます。

 

 

2.18 / 15 / 12 ヶ月のプログラム

18ヶ月という長すぎず短すぎないプログラムも魅力の一つです。世界のMBAの中でも1年半という期間のMBAは決して多くないため、2年は長いけれど1年は短いと感じる方には最適な選択であると言えます。一年制にはないベネフィットとして、Elective Termや夏休みの期間に、企業でのインターンシップに参加できる点が挙げられます(公式サイトに、これまで学生がインターンを経験した主要企業の一覧も記載されています)。毎年決まって10月頃、米国ボストンにおいて「ボストンキャリアフォーラム」という日本人の海外留学生向けの就職イベントが開催され、多くの海外MBA留学生が、企業でのインターンシップの機会を獲得しています。MBSにおいては、自ら企業にアプローチする他、大学のCareer Management Serviceからプロジェクトベースのインターンシップ等も提供されているため、多くの生徒が在学中に実務経験を積める環境にあります。また、4月卒業というタイミングは、日本での就職を目指し、活動をする上で最適な時期であると言えます。企業側からの採用サイクルも4月頃に集中している点や、年末年始の学校の休みを利用して最終面接に臨める点等がそれらの理由となります。

また、2017年より15ヶ月/12ヶ月のAccelerated Pathwayを選択することができるようになりました。授業料はどのPathwayでも変わりませんが、18ヶ月プログラムとの大きな違いは以下の3点です。

 

1.) 1年目の9月-5月にかけてのElective科目の選択:

18ヶ月プログラムとは違いプログラムスタート時からElectiveを選択することになります。Electiveによっては1年上のクラスと授業/プレゼンテーションを行うため、先輩から学べる機会があることも魅力の一つです。

2.) International exchange(2年目の9月-12月にかけて実施)は選択不可:

15ヶ月/12ヶ月のPathwayでは、開催タイミングの関係でInternational exchange(交換留学)を選択することができません。

3.) Internship参加不可:
12ヶ月のPathwayでは1年目6-8月にInternational Business Projectを実施するため、その期間にInternship(いわゆるサマーインターン)を実施することはできません。

2017年度ではクラス全体の約20%(日本人は8名中2名)程度がAccelerated Pathwayを選択しています。

 

[簡単な各プログラムスケジュール]

18ヶ月: Core Programme (9-5月) → Internship OR Elective (6-8月) → International Exchange or Elective (9-12月) - International Business Project (1-4月)

15ヶ月: Core Programme (9-5月) + Elective → Internship OR Elective (6-8月) → International Business Project (9-12月) 

12ヶ月: Core Programme(9-5月) + elective → International Business Project (6-8月)

 

3.高い費用対効果

MBSは他のMBAプログラムの比較して、留学コストを大幅に抑えることができます。授業料だけでなく住居等生活費も比較的安価なため、2年制ばかりでなく1年制のプログラムと比較しても、高い費用対効果を期待できます。

 

さらに、多くの生徒に対して、充実したスカラシップを獲得するチャンスが与えられています(5,000ポンド、10,000ポンド、20,000ポンド等)。約4万人の生徒を抱えるマンチェスター大学において、MBAは学校全体のマーケティングへの貢献が期待されているということもあり、優秀な生徒を獲得するために比較的安価な授業料でのプログラム提供やスカラシップ授与が行われている背景があるようです。

 
その他

 

- 質の高い学習環境 -

MBAの醍醐味の一つとして、各業界から集まったクラスの仲間とのインタラクティブな講義が挙げられますが、MBSにおいては一学年100名程度の少人数制を保っており、より密なディスカッションが行なえる環境にあります。また、下は20歳代前半から上は40歳くらいまでと年齢層に幅があるのも特徴で、様々な実務経験を持った生徒とのディスカッション、グループワークは得るものが多いと感じられます。また、初年度コア科目を終えた後、夏からは選択科目を受講することになりますが、MBSではGlobal MBA(Part Timeのプログラム)の授業も選択できるというメリットもあります。

 

Singapore、Hong Kong 、Dubai、Shanghai 、São Pauloに拠点を構えており、これらの授業を選択すると、授業の一環として世界各地に渡航し、Global MBAの生徒ともディスカッションやネットワーキングを行うことができます。

 

- International Experiences -

ダイバーシティに力を入れている点もMBSの特徴の一つであるといえます。MBSでは90%近くがInternational Studentであり、世界中(30カ国前後)から生徒が集まってきます。Financial Times MBA ranking 2017 において、International Mobilityランクにおいても24位に位置しており、グローバルな環境で働くことを目指している方にとって最適な学校群の一つであると言えます。


さらに、より豊富な国際経験を得たい方にとって他MBAとの交換留学制度がある点もMBSの魅力です。米国のCornell (Johnson)、North Carolina (Kenan-Flagler)、ヨーロッパのIE、ESADE、SDA Bocconi、アジアのHKUST、CEIBS等多くの提携校があるため、個々人のキャリア目標に合わせて交換留学先を選定できます(留学指定校は定期的に見直しがされるため変更する可能性があります)。

 

特にClass of 2019の女性比率は40%と他校と比較しても高くなっており、各プロジェクト5人チーム内に2人は女性が入るためバランスのとれたチーム構成になっています。また、Women in Businessと題したキャリアイベントも積極的に開催されており、実際のビジネスの場で活躍している女性から話を聞く機会も多くあります。なお、このイベントは男性でも参加可能です。

 

- Faculty -

マンチェスタービジネススクール(MBS)は、'2014 DBA STUDIES.COMのDBAコースにおいて1位にランクインされる等、素晴らしい研究者養成機関でもあります。MBSで行われている研究で盛んなものとしては、イノベーション、ビジネスマーケティングなどがあり、この分野では世界的に著名な研究者が集まっています。多様なバックグランドを持った研究者、教授陣が集まっているので、授業も刺激に満ちた楽しいものが多いです。


ビジネススクールの授業は、アカデミック分野で活躍している教授が教える科目(統計やファイナンス系が多い)、また実際ビジネスを傍らでやりながら大学で教鞭をとる先生が教える科目(マーケティングやアントレ系)も多々あります。その中から、特に人気のある先生をピックアップしてご紹介します。

マイク・アルンデール/ Mike Arundel(コンサルタンシープロジェクト)
MBSの特徴である4つのプロジェクトのうち、M&Aを除く3つのリアルビジネスプロジェクト(Not for Profit Project, UK Consultancy Project, International Business Project)を担当する教授。

各プロジェクトを遂行するために必要とされるコンサルティングの基礎知識から、段階を追うにつれて要求されるハイレベルなコンサルティング手法まで、幅広い知識を分かりやすくロジカルに教えてくれる。授業に対する姿勢やマナーなどに厳しいため、一見近寄りがたいと思われがちだが、実は面倒見がよくいつも真剣に話を聞き的確なアドバイスをくれることで定評がある。ちなみに、マイクとは3つのプロジェクトを通して入学直後から卒業間際まで付き合うことになる。

レザ・サレネジャド/ Reza Salehnejad(デジタルエコノミー)

MBAのエレクティブコースでデジタルエコノミーを担当するイラン出身のレザ。ユニークな話し方でみんなの人気者に。授業が学生の希望に沿う内容かどうか、常に生徒のフィードバックを参考にしフレキシブルに授業内容を構成してくれる。オンラインビジネスがどのように経済に影響を与えるか、そのビジネスモデルを比較するとどういう新しいコンセプトが出てくるか。ビジネス経験者であるMBA学生の意見を幅広く授業に取り入れつつ、刺激にとんだ内容であっという間に時がすぎてしまう授業。学生とのコミュニケーションを重視し、授業後でも長い間教室に残って生徒相手に議論してくれる熱血漢な一面もある。

 

イズマイル・アーテュルク / Ismail Ertürk(グローバルエコノミー・ファイナンス)

コア科目のグローバルエコノミーのほか、エレクティブのファイナンス関連科目も担当するイズマイル。各国の中央銀行・銀行界に強固なネットワークを持ち、世界中のメディアにもコメントを寄せるなど、MBS教授陣の筆頭格の一人として名高い。バックグランドが異なる人からすれば理解しにくいテーマである経済・金融分野において、プレゼンなどの課題も一つ一つ詳細にかつ丁寧にフィードバックをくれる熱心な教授。また、経済のメカニズムや金融市場について最先端の研究と実例を織り交ぜつつ鋭く解説することから、経済学・金融出身者にとっても骨のある講義として定評がある。ちなみに日本好きな一面もある。